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東京高等裁判所 昭和63年(行コ)58号 判決 1989年7月11日

主文

本件各控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

(申立)

控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人東村山市長が昭和六〇年三月七日付けで被控訴人小松恭子に対してした金五万円の補助金交付決定を取り消す。被控訴人小松恭子は、東村山市に対し、金五万円及びこれに対する昭和六〇年三月一九日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決及び仮執行の宣言を求め、被控訴人ら代理人らは控訴棄却の判決を求めた。

(主張及び証拠関係)

当事者双方の主張及び証拠関係は、次のとおり付加訂正するほか原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。

一  原判決三枚目裏七行目及び同四枚目表八行目の各「第七の2」を「第七2」と改め、同六枚目裏二行目の後に行を改めて次のとおり加える。

「(五) 本件規則五条一項及び本件記入例によると、補助金の交付の申請をする者は申請書及び別紙として昭和五九年度補助対象事業計画書を提出しなければならないところ、右事業計画書は、本件規則五条二項の定める添付書類ではなく、申請書の実質的内容を成すものであって同条一項によってその提出が義務づけられている。しかるに、被控訴人小松は、前記のとおり昭和五九年年度内の一事業を補助対象事業として記載した補助対象事業計画書を提出しなかった。

したがって、本件決定は、本件規則五条一項に違反する違法なものである。

(六) 本件規則六条一項は、被控訴人市長に交付金額の算定に誤りがないかどうかを調査することを義務づけている。しかるに、被控訴人市長は、被控訴人小松の補助金交付申請に対しては、全事業を一事業とみなして交付金額の算定を行った結果、その金額の算定に誤りがあったのに、それを知りつつ本件決定を行った。

したがって、本件決定は、本件規則六条一項に違反する違法なものである。」

二  同八枚目表一行目の「あそび」を「遊び」と、一〇行目の「ほほ」を「ほぼ」と、同九枚目表二行目の「物」を「物件」と、四行目の「出入れ」を、「出し入れ」と、同一三枚目裏五行目の「第五(1)の規定により実施する」を「右(1)に該当する」と、八行目の「又」を「又は」と、末行の「コピー代」を「コピー代等」と、「電話」を「電話代」と、同一八枚目裏二行目の「又」を「又は」と、四行目から五行目にかけての「電話」を「電話代」と、同一九枚目表四行目の「手続き」を「手続」とそれぞれ改め、同一〇枚目裏一〇行目及び同一二枚目表一行目の次にそれぞれ行を改めて「同4(五)及び(六)を争う」を、同一四枚目表末行及び同一八枚目裏九行目の各「二八日」の前に「同月」をそれぞれ加える。

理由

一  当裁判所も、控訴人の被控訴人市長に対する訴えは不適法であり、被控訴人小松に対する請求は理由がないと判断する。その理由は、次のとおり付加訂正するほか原判決理由説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決二一枚目裏五行目の「一定の政策目的のために」を「公益上の必要から特定の政策を実現するために」と、六行目及び九行目の各「交付を受ける権利」を「交付申請権」と、八行目の「申請人の権利の存否」を「申請人に対する補助金交付の可否」とそれぞれ改める。

2  同二二枚目表二行目の「処分性」の次に「(その最小限の要件としては行政庁の決定に対する不服申立権)」を加え、六行目の「法令等とは」を「法令等には」と、八行目の「内部規則」を「内部的規律」と、同裏三行目の「ものと認められる」から四行目の「によれば」までを「こと」とそれぞれ改める。

3  同二三枚目裏二行目の「交付するか」の次に「の内部的基準」を、「本件規則」の前に「右性質を有する」をそれぞれ加える。

4  同二四枚目表末行の「主張するので」から同裏一行目までを次のとおり改める。

「主張するが、本件補助金の交付が権利能力なき社団であるドナルドグループに対してされたか被控訴人に対してされたかは、控訴人主張の本案請求権である不当利得返還請求権の存否の問題であって、被告適格の有無とは関わりがないから、被控訴人の右主張は失当である。

三  そこで、控訴人の被控訴人小松に対する請求について判断する。

1  まず、本件補助金の交付が被控訴人小松に対してされたものであるかどうかについて検討する。」

5 同裏五行目の「そなえ」を「備え」と、末行の「前記のとおり」から同二五枚目表一行目の「事実に」までを「前記のとおりであり、この事実に成立に争いのない乙第二号証の一、同号証の三ないし七、査定欄については原審証人小町勝美の証言により真正に成立したものと認められ、その余の部分については成立に争いのない乙第二号証の二、」と、四行目の「丙第三、四」を「丙第三ないし第五」とそれぞれ改める。

6 同二六枚目表八行目の「行われること」を「行われているが、年間の収入は会費、行事参加費、補助金が主たるものであって、ほとんど同一年度内で費消されていること」と、同裏二行目から三行目にかけての「保管されていること」を「保管されているが、ドナルドグループの資産としては、それらの若干の動産があるにすぎないこと」と、同行の「出入れ」を「出し入れ」とそれぞれ改める。

7 同二七枚目表一〇行目の「認められないものというべきである」を「認められず、経済的基礎には見るべきものはなく、経済的活動は微弱であって、ほとんど一回的なものにすぎない」と改め、同裏五行目を削る。

8 同二八枚目表一行目の「三」を「2 そこで、」と、三行目の「1」を「(一)」と、八行目の「第八号証」を「甲第八号証」と、一〇行目の「申請」を「交付の申請」と、同裏九行目の「三項」を「二項」とそれぞれ改める。

9 同二九枚目表一行目の「用紙には」の次に「、」を加え、五行目の「争いのない」を「この」と、六行目の「乙第二号証の三」を「乙第二号証の一ないし三」とそれぞれ改め、同行から七行目にかけての「一及び」、同行の「査定欄」から九行目の「乙第二号証の二」までをそれぞれ削り、同裏九行目の「第七の2」を「第七2」と、一〇行目の「いうことができるが、」を「いわざるをえない。」とそれぞれ改める。

10 同三〇枚目表四行目の「変更になった」を「変更された」と、六行目の「申請」を「交付の申請」と、一〇行目の「特に」を「以上の事情を考慮したうえ、特に一事業に限定した記載及び添付書類の添付の」とそれぞれ改める。

11 同三一枚目表一行目の「申請」を「交付の申請」と、八行目の「本件要綱に違反するものである」を「、本件規則に違反するものではなく、本件要綱に適合しないものではある」と、九行目から一〇行目にかけての「内部規則」を「内部的規律」と、同裏一行目の「解すべきところ」から八行目までを「解すべきである。」とそれぞれ改め、九行目の「なお、」を削る。

12 同三二枚目表二行目の「説明」の前に「例示して」を加え、四行目の「失当である」を「失当であり、他に本件決定が違法となるべき事由を認めるに足りる証拠はない。」と、八行目の「2」を「(二)」と、末行から同裏一行目にかけての「当事者間に争いがなく、右争いのない」を「であり、この」と、九行目の「(一)」を「(1)」とそれぞれ改め、七行目の「本人尋問の結果」の次に「(但し、後記採用しない部分を除く。)」を加える。

13 同三三枚目表四行目の「対象として」の次に「その事業経費について」を加え、九行目の「(二)」を、「(2)」と、末行の「変更になった」を「変更された」と、同裏二行目の「説明がなされ」を「説明し」と、四行目の「(三)」を「(3)」と、同三四枚目表七行目の「(四)」を「(4)」と、同裏七行目の「(五)」を「(5)」とそれぞれ改める。

14 同三五枚目表二行目の「(六)」を「(6)」と改め、五行目の「各団体」の前に「補助金交付の基準及び申請手続の改正と申請受付との時期が著しく近接していたため、」を加え、四行目の「一応」を削り、六行目から七行目にかけての「金額を下回らない金額を交付することとし」を「交付額を参考にして調整を行い」とそれぞれ改め、同裏七行目の「各証言」の次に「並びに被控訴人小松の供述」を加える。

15 同三六枚目裏六行目の「経費」の前に「相当の」を加え、七行目から八行目にかけての「右の金額は正確であるということはできない」を「一事業としての所要経費が右の金額にとどまるものではない」と、同三七枚目表一行目の「3」を「(三)」と、一〇行目の「提案」を「提出」と、同裏四行目の「する必要」を「するまでの必要」と、六行目の「4」を「(四)」と、「補助金」を「補助金の被交付団体の、補助金の交付を受ける地位」と、末行の「2」を「(二)」とそれぞれ改め、同行の「最後に、」を、末行の「右事業によれば」から同三八枚目表三行目の「であるから、」までをそれぞれ削る。

16 同三八枚目表七行目の次に行を改めて次のとおり加え、八行目の「5」を削り、一〇行目の「請求は」の次に「、その余について判断するまでもなく」を加える。

「(五) 控訴人は、補助対象事業計画書については、本件規則五条一項の定める申請書の内容を成すものであって省略することはできないから、本件決定は本件規則五条一項に違反する旨主張するところ、<証拠>によれば、被控訴人小松が提出した昭和五九年度補助金等交付申請書の「補助事業の目的」、「事業内容」、「事業効果」、「補助事業に要する経費」の各欄にはいずれも「別紙のとおり」と記載されており、右は申請書に添付された補助対象事業計画書の記載を引用する趣旨と認められるから、右計画書は実質上申請書の一部を成すものというべきである。そして、右申請書に特定の事業が記載されていないことは前認定のとおりである。しかし、本件決定が対象事業を特定することなくされ、かつ、それが違法とはいえないことは前記のとおりであり、このことと、本件規則五条三項によれば、市長が必要がないと認めるときは、右申請書の記載の一部を省略することが許されるとされていることとを併せ考えると、市長は右規定により対象事業を記載する必要がないものとして右申請を受理したものと解されるから、控訴人の右主張は理由がない。

(六) 控訴人の本件決定が本件規則六条一項に違反するとの主張についてみると、ドナルドグループに対する補助金額算定の経過は前記2(六)のとおりであって、その算出過程に誤りがあったということはできないから、控訴人の右主張も採用できない。」

二  以上の次第で、控訴人の被控訴人市長に対する訴えを却下し、被控訴人小松に対する請求を棄却した原判決は相当であり、本件各控訴はいずれも理由がない。よって、本件各控訴をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 丹野 達 裁判官 加茂紀久男 裁判官 新城雅夫)

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